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精進落としは労をねぎうう宴
葬儀の万端が終わったら、僧侶をはじめ、葬儀の手伝いなどでお世話になった人たちに、「精進落とし」の宴を設けます。
本来、葬儀の期間中は、すべて精進料理(「生ぐさもの」を断った料国)で通し、葬儀終了後、酒肴の席を設け、それを境に通常の食事に戻ったことに始まりました。
しかし現在では、関係者の労をねぎらうための宴となっています。
一般的には労をねぎらうという意味から、関係者の手をわずらわさずに、仕出し屋などから料理や弁当をとり、酒を添えることが多くなっています。
しかし、地域によっては、精進落としの料理も、近所の人が集まって、労力奉仕をして作るしきたりが残っています。
世話になったお礼のあいさつを
精進落としの席では、僧侶や葬儀委員長、世話役などを上座におき、喪主や遺族は末席に着きます。
一同がそろったところで、喪主か親族代表が、お礼の言葉を述べて宴を始めます。
喪主や迫族は酒の酌をしたり、人ひとりにていねいにお礼を述べます。
宴で残った料迎は折り詰めにして持ち帰ってもらいます。
精進落としの宴を行わない場合は、折り詰め風弁当に酒を添えて配り、宴にかえることもあります。
お聞きのあいさつでは法要の予定も
通夜からいろいろな儀式がつ”ついて関係者は疲れていますから、精進落としの宴は、早めに切り上げます。
巡回宵迎えのお経のあと、つ”ついて宴を始め、一時聞か一時間半くらいたったところで、喪主があいさつをしてお聞きとなります。
喪主はあらためてお礼の言葉を述べ、「お忙しい方々をあまり長い間お引きとめしては申しわけございませんので」といった意味の言葉で締めくくります。
その後の法要の予定がわかっていれば、あわせて案内します。
挨拶例
精進落としの一般的なあいさつ
皆様、本日は亡き父・高橋茂樹の葬儀に際しまして、ひとかたならぬお世話になりました。
おかげをもちまして、葬儀のすべてを無事に終えることができました。
本当にありがとうございました。
心ばかりの席を用意させていただきましたので、お疲れをほぐしていただければと思っております。
どうぞごゆっくりお召し上がりくださいませ。
本日はまことにありがとうございました。
ごく手短に
本日は、夫佐久間美雄の葬儀に際しまして、まことにお世話になりました。
故人になりかわりまして厚く御礼申し上げます。
皆様にはお疲れのことと存じます。
気持ちはかりではござじますが、精進落としの席を設けましたので、お時間の許す限り、お召し上がりいただき、おくつろぎいただければと存じます。
本日はありがとうございました。
遺族の率直な心情を語って
故人の夫、高岸道男でございます。
本日は、皆様のひとかたならぬお力添えをいただき、まことにありがとうございました。
政人にかわりまして、あらためてお礼申し上げます。
妻の里子と結婚して三十年、長いようであっという聞の歳月でした。
その問、私の海外赴任にも同行してもらい苦労をかけました。
ともに歩んできた妻が旅立ってしまったということを、今は、まだ実感できずにおります。
私には、もうしばらく時間が必要なのかもしれません。
どうか妻亡きあとも、これまで同様におつきあいくださいますよう、お願い申し上げます。
ささやかではございますが、あちらに粗餐を用意いたしました。
ごゆっくりお過ごしください。
お世話になった方の名前をあげて
皆様、本日はありがとうございました。
皆様のおかげをもちまして、国夫・正人の野辺の送りを、無事に終えることができました。
とりわけ○○株式会社の黒川様には、世話役代表としてごめんどうをおかけいたしました。
あらためて、お礼申し上げます。
皆様、さぞ、お疲れのことと思います。
心ばかりの酒肴をととのえさせていただきました。
しばし故人の思い出などを肴に、ごゆっくりとお過ごしくださいませ。
僧侶に法話をお願いする場合
ご住職様、本日はまことにありがとうございました。
ご立派なお経をあげていただき、父も安心して旅立つことができたと思います。
また、お世話役の地同様には、お力添えいただき、ありがとうございました。
おかげさまで、父を無事見送ることができました。
今ごろは、先に逝った聞との再会を喜んでいることと思います。
ささやかではございますが、精進落としの膳を用意いたしました。
おくつろぎいただければと存じます。
なお、宴を始めるにあたり、ご住職様にお話をいただきたいと存じます。
では、ご住職様、お願いいたします。
お礼の品の用意も告げて
皆様、本日はお寒いところを、亡き夫・和孝のためにご尽力いただき、まことにありがとうございました。
おかげさまで無事に見送ることができました。
これもひとえに皆様方のお力添えがあったればこそと、遺族、親族一同、心より感謝いたしております。
皆様、さぞ、お疲れになられたことと存じます。
たいしたことはできませんが、精進落としの小膳の用意をいたしました。
ごゆっくりお過ごしくださいませ。
なお、心ばかりのものを用意させていただきました。
お帰りの際に、お持ちくださいませ。
本日は、本当にありがとうございました。
遺族への支援をお願いしながら
配人の兄、谷村静一でございます。親族を代表いたしまして、ひと言ごあいさつをさせていただきます。
本日は風雨の中、長時間にわたり、ありがとうございました。
おかげさまで、弟詩巌男の震告別式を滞りなく終了することができました。
弟亡きあと、残された家族も寂しくなると思います。
どうぞ皆様、今後とも、故人の生前と変わりなくお付き合いくださいますよう、この場を借りてお願い申し上げます。
ささやかではございますが、精進落としの膳を用意させていただきました。
どうぞごゆっくりお召し上がりください。
本日は、ありがとうございました。
お開きの際の一般的なあいさつ
本日は、まことにありがとうございました。
もっとごゆっくりしていただきたいところでございますが、お疲れのところあまりお引きとめしても申し訳ございませんので、このあたりでお開きにさせていただきたいと思います。
不行き届きの段は、どうぞ、お許しくださいませ。
なお、納骨は三月二十五日を予定しております。
これからもお世話になると存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
精進落としの席を設けないとき
本日はお忙しい中、お出話さまでございました。おかげさまで、式を無事終えることができました。
本来ならば、精進落としの席を用意いたすところではありますが、遠方からおいでの方もあり、お引きとめをするのはかえってご迷惑かと存じ、失礼させていただきました。
ささやかではございますが、心ばかりのものをご用意いたしました。
どうぞお持ち帰りくださいませ。本日は、ありがとうございました。
なお、OO駅までのパスが十五分おきに、当斎場前から出ておりますのでご利用ください。