だれでも、自分の中に輝きを机めています。
それに、どうして目をつぶるのですか?
それ仏法はるかにあらず、心中にしてすなわち近し、
真如外にあらず、身を棄てていずくにか求めん。
『般若心経秘鍵』

仏の教えや悟りは、
はるか遠くにあるのではなく、
自らの心中にあって、
近くにあるのです。
それゆえ、
悟りは自分以外のものに求める必要はないのです。
自分を否定して、
いったいどこに悟りを求めようというのでしょうか。
空海が求めていた仏の教えは、
じつはだれもが自分の中にすでに持っていたものでした。
まるで童話『青い鳥」のようです。
幸せかどうかを決めるのは、
つまるところ他のだれでもなく自分なのです。
仏教では、
悟りすら自分の中に内蔵されていることを知れと言います。
アホな自分に気づく力も、
人に共感する温かい心も、
命という不思議な営みも、
すべては他を探さなくても、
私たちの中にすでにあるのです。
だからと言って、
孤立して、
ひきこもっていればいいとは言いません。
「すべては自分と関わりをもっていることを、
ありありと見抜いた上で、
自分の中のすばらしいものに気づいていけ。
そうすればこの身、
そのままで仏になれる」
と空海は言うのです。
他人のせいにすることにかけては天才のあなた。
自分に内蔵されている力を、
もっと、
信じて、
遥しくいきましょう。