家族が亡くなった時から始まる、数々の未体験ゾーン。
何が危険で何が安全なのか、全く知らない人にとっては苦痛の極みです。
実際に体験した、病院や葬儀社やお寺とのやり取りで有効な対抗策をご紹介します。
縁があって葬祭関連の仕事につき、多少なりとも知識があったから、『ぼったくり』に合わず損をしなかった対抗知識です。
一緒に住んでいた妻の母親が亡くなった時のケースをご紹介していきます。
病院編・葬儀社編・お寺編の3部作でご紹介します。

ブラックな葬儀社やお寺が知られたくないあるある話です。
病院編
一.病院の紹介は安易に受けない。
遺体搬送を急かされるような病院が紹介する葬儀社は危険?
お医者さんから
『ご臨終です。』
と告げられた後、まず看護師さんがエンゼルケアを行ってくれます。
エンゼルケアとは、亡くなった人を綺麗にする処置のことです。
*入浴をさせてあげたい場合は湯灌があります。*
エンゼルケアを行うとき看護師さんから
『少し外でお待ちください。』
と促されます。
病室の外で待っているとエンゼルケアをしていない看護師さんが
『このたびはご愁傷さまです。葬儀社の手配はお済ですか?まだならご紹介いたしますよ。』
と、声をかけられました。
二.病院から紹介される葬儀社はグレー
昔ほどではありませんが、病院と葬儀社の癒着は恐ろしいものがあります。
看護師さんがわざわざ紹介してくる理由は、金銭が絡むからです。
もちろん、親切な看護師さんで病院とは関係のない地元で評判の葬儀社を教えてくれる人もいます。
しかし、基本的には聞かれないと答えないスタンスです。
看護師さんから言ってきた葬儀社は限りなくグレーだと認識していいでしょう。
こういうケースは
『今、家族のものが探しています。分からない時はまた相談させてください。』
と、やんわり逃げておきましょう。
しつこい人に対しては、
『田舎の親戚がうるさい人なので、聞いてみないとなんとも。。。』
とでも言っておくと良いでしょう。

また、ずっとお世話になった看護師さんからの紹介だからと気を使わないこと。
気を使ってしまうと、その葬儀社に言いたいことも言えない立場に自分で追い込んでしまいます。
三.病院に現れる謎の男は要注意
エンゼルケアが終わった後、遺体は霊安室に運ばれます。
霊安室まで運ぶストレッチャーを持ってきた白い中年男性。
病院の職員だと思っていました。
*そう思わせるような雰囲気を出しています*
その男が、

『このたびはご愁傷さまでした。』
『葬儀社はどこかにお決まりですか?私どもは、この病院で亡くなった方をお世話させていただいております。お困りの事はございませんか?』
優しく語りかけてきました。
妻が
『ありがとうございます。これから葬儀社を探すところです。分からないことばかりで。。。』
と、答えました。
すると男は

『では、私どもがご紹介しますよ。ご家族はお疲れだと思います。全てお任せください。この病院でお亡くなりなった方は、ほとんど私どもがお手伝いさせていただいていますので、安心してください。』
そして

『できるだけ早く病院からご遺体を移さないといけません。病院の都合もありますので、直ぐに車の手配をしますね。』
と、勝手にドンドンと話を進めていきます。
具体的な金額は一切しません。
そこで私は
『お名刺をいただけますか?』
と一言。
相手のペースをいったん遮ります。
病院の職員なのか、葬儀社の人間なのか。
その男の存在を明らかにしたかったのです。
まぁ、葬儀社の人間なのは火を見るよりも明らかでしたが(笑)
男は顔を少し顔をゆがめながら

『あ、すいません。』
『私、この病院の専属の葬儀社です。』
と、ようやく正体を現しました。
私は
『先ほど看護師さんに聞いたら、そんなに急がなくても大丈夫ですと言われましたが?』
と、詰め寄りました。
男はあからさまに嫌な顔をします。
四.霊安室を急いで出ることはない
ご家族が亡くなった後、霊安室にいつまで居られるのか?
ほとんどの人が不安に思います。
もちろん、何日も霊安室に預かってもらえるわけではありません。

3時間くらいはどの病院も問題ありません。
葬儀社は依頼をしてから病院まで1時間もあれば駆けつけてくれます。
地方の人が別の土地で亡くなったケースで地元の葬儀社に事前相談していても、葬儀社は自分たちのネットワークで先ずは寝台車を向かわせてくれます。
私が知っている範囲ですが、病院も遠方の人だと分かってくれているケースでは寝台車が1日くらいかかりそうだと言えば理解をしてくれると聞いています。

また、葬儀社とのやり取りで病院に来られる時間を教えて貰い、不安な場合は看護師さんなどに葬儀社が決まったことと、寝台車がどれくらいで来ることを伝えておくと良いでしょう。
葬儀社編
五.事前準備が一番。準備がない場合は2社以上からの見積りが絶対。
想像してください。
病院でお医者さんに臨終を告げられ、精神的に不安定な状態で葬儀社選びをしないといけない。
全く予備知識がない状態で、見知らぬ世界のことを短時間で次々と決断しないといけない。
想像しがたいプレッシャーがかかります。
一昔前は、
『亡くなる前から葬儀社を探すなんて縁起が悪い。』
と、言われていました。
しかしながら最近はテレビや雑誌でも終活情報や葬儀情報が紹介されています。
事前準備・事前相談の重要性は、ほとんどの人が認知しています。

一番良いのは、お医者さんや看護師さんから状態を聞き、そろそろお迎えがと思った時から少しでも準備を進めることがベストです。
事前準備・事前相談が出来ていない場合は絶対にしてはならないことがあります。
六.1社だけで決めないこと。
高額な家電や車を購入する時を思い出してください。
ライバル商品を比較検討しますよね?
カタログを見比べて金額を比較する。
時間をかけてゆっくりと検討できる状態でも、後からライバル商品の方が良かったのでは?と思うこともあります。

葬儀の事を詳しくない一般の人が、1社の見積りだけで進めていくのは一番良くない進め方です。
葬儀費用に関して後悔する殆どのは、1社だけの言うことを聞いて進めたケースです。
葬儀後に落ち着いた状態で近所の人の話や色々な情報が耳に入ってきます。
その時に、自分の葬儀費用は高くないか?
○○さんは、自分たちの半分くらいで葬儀をしたらしい?
最初に言っていた金額から、追加費用が倍近くかかった。

最低でも2社は問い合わせをし、見積もりを依頼すること。
比較検討して決めた葬儀社からは必ず見積書を提出して貰う事。
七.見積りの取り方
見積りは家族で分担して数社にあたるのが一番です。
家族で簡単な打ち合わせをして、下記の内容を確認しましょう。
- 予算
- 予想参列者数
- 葬儀の規模
私の場合は
予算は葬儀社・お寺・諸々の事を含めて100万以内でおさえたい。
親族や親しい人の人数は約30名
お通夜と葬儀・告別式は行う。
祭壇は花祭壇。
お寺の紹介もお願いする。
ザックリとこれくらいを決めてから、分担して葬儀社を探し始めました。
全員に意思疎通をしておく必要があります。
見積書を取ること。
まず電話口では、金額をきちんと確認すること。
追加の可能性がある項目をきちんと説明してもらうこと。
そして、合って相談するときに見積書を持ってきてくださいと伝えること。
怖いのは内容がわからない追加料金です。
葬儀社の人に、追加料金になるケースと金額を書いてもらいましょう。
見積書の空いている場所でもOKです。
このような場合は○○円の追加料金がかかりますと一筆もらっておくと安心です。
何か変更したい時、追加したい時は必ず
『追加費用はかかりますか?』
と、聞くことも大事です。

各社細かいところが違います。
ハッキリ言って、素人に違いが分かることはありません。
だからこそ、自分たちの要望だけはしっかりと伝えることが大事です。
先ほどの病院に付いている葬儀社の男にも
『お見積りをいただきたいのですが?』
と声をかけました。
上記の内容、お通夜・葬儀をすること、人数、予算、希望を伝えました。

『30名くらいの参列者予想であれば、だいたい80万くらいで全て出来ると思いますよ。まずは、寝台車で遺体を搬送しましょう。』
私
『内容が知りたいので、まずはお見積りを下さい。
書類で渡して下さい。
今、家族全員で数社から見積もりを取っているので、お見積りをいただけないのであれば他社で進めるしかありませんが。』
中年の男性が、あからさまに嫌な顔をしました。
とにかく自分のペースに持ち込みたいようです。
八.大手のメリット・デメリット。融通がきかないケース。
葬儀費用○○○○円。追加料金は一切なし。
こういう謳い文句を見たことがあるでしょう。
このような葬儀社を選択するときに注意すべき点が二つあります。
一つは、火葬場はどこなのか?
民間の火葬場と公営の火葬場では、火葬料金が違います。
東京や埼玉、神奈川などの首都圏では、大々的に書いている費用より10万円程高くなることがあります。
もしくは、火葬料金は別途必要とされています。

安易に大きく書かれている費用だけで済むんだとは思わないことです。
もう一つは融通がきかない。
気持ちが少し落ち着き、親族もチラホラ駆けつけてくれだします。
祭壇の設営を見て
『もう少し立派な祭壇にしてあげたい。』
と思う場合もあります。
田舎から来た親族からの要望が追加される場合もあります。
追加料金一切不要と大きく表示されている葬儀社の場合は、内容の変更が出来ないというデメリットがあります。
写真より祭壇がみすぼらしく感じた。
葬儀後に親戚からもう少しちゃんとした葬儀をしてあげて欲しかったと言われた。
こういうような事を言われ、つらい思いをしたという人もいらっしゃいます。
地元密着の葬儀社であれば、予算を伺い予算の中で家族の要望が一番叶えられる提案をして貰えます。

双方のメリットデメリットは理解しておきましょう。
九.人質を取らせない
亡くなった人はいったん安置する必要があります。
亡くなってから24時間経過しないと火葬することは出来ません。
ひょっこりと生き返るかもしれないからだそうです。
土葬の名残りとも言われていますし、今の医学では死亡宣告されてから生き返る事は、ほとんどないでしょう。
安置場所は、
自宅なのか?
安置施設か?
依頼する葬儀社の会館か?
ブラック葬儀社は色々な理由をつけて、自社の葬儀会館・葬儀ホールに連れて行こうとします。
どうしてか?

人質を取るためです。
ご遺体を安置してから実際に葬儀社が設営にかかるまで、都市部だと数日かかるケースが殆どです。
火葬場の日程調整が必要だからです。
その時家族はいったん気持ちを落ち着けることができます。
直葬の場合でも、数時間ゆっくりと考える時間は取れます。
その時に、ゆっくりと葬儀の内容や金額を見直すことも可能です。
それを知っているブラックな葬儀社は、自社の葬儀会館にご遺体を人質として預かろうとします。
安置している間に他社の見積もりを比べて、葬儀社を変更する事を防ぐためです。
一度、人質に取られたら葬儀社を替えるから遺体を別の場所に移してほしいと言い出す事が難しいことを、ブラック葬儀社は理解しています。
見積りや葬儀内容に自信がある葬儀社は、ご家族の希望を一番に聞きます。
そして、どこが安置するのに一番かを教えてくれます。
仮に、他社に見積もりを取られても隠す事はないからです。
見積もり金額もハッキリしていないのに、自社の葬儀会館に安置しようとする葬儀社はブラックと判断しても良いでしょう。

ポイントは見積もり金額の確認。そして手配です。
遺体搬送を依頼するときに、金額次第では葬儀社を変更する可能性もあることを伝えておきましょう。
安置してから、家族全員で相談して葬儀社を決めたいと思っている意思表示が必要です。
そこで、怪訝な顔をしたり、理屈をつけてくるような業者はNG。
インターネットで直葬5万円~みたいな広告があります。
しかし、ゆっくりと見積もりを吟味すると、
『え??』ってなります。
結局、高くつくことなんてザラです。
相見積もりを取って内容を比べてみれば、良くわかります。
互助会の金額も同様に??と思うことがあります。
互助会については、番外編で後述します。
人質をどう取るかって作戦です。
人質さえ取れたら、後はこっちの流れに乗せて強引にでもって意識がどこかにあるのでしょうか。

交渉は常に自分達の流れを意識しましょう。
(遺体を保持するためには、ドライアイスを毎日交換する必要があります。これは、追加として当たり前のことです。ドライアイスが全て込みの値段のように記載している業者は注意が必要です。都市圏でドライアイスを追加なしで火葬の日程調整が出来ることは近年非常に難しいと思います。追加料金が一切なしというのは、そういう意味でもいかがなものかと感じます。。)
十.数的優位
大事なことは、書面できちんと説明をしてもらうこと。
書面がない場合は、数的優位を必ずつくること。
1対1は極力避けましょう。
出来れば、男性と女性二人以上で打ち合わせをしましょう。
ブラック葬儀社・ブラック寺院は、えてして口が立ちます。
男女で打ち合わせをすると、お互いの過不足を補えます。

そして、一呼吸おいてから回答すること。
その際に、遠方の叔父がきてからの回答になりますや、
家族全員で決定するので時間をください等。
ブラックな葬儀社が急かしてきても慌てずに検討しましょう。
十分に検討する時間はあります。
十一.良い葬儀社の見分け方
家族が亡くなってから、葬儀という儀式が一段落するまでにかかるお金。
それは、大きく三つに分けられます。
一つは葬儀社に払うお金。
一つはお寺などの宗教者に払うお金。
一つは参列してくれた人たちにするお礼の飲食のお金。
葬儀社に払う内訳は
基本プランの項目
追加の可能性がある項目
立て替えて貰う金額
があります。
火葬料金や公共の施設を利用した場合は、葬儀社が立て替えてくれています。
慣れない葬儀の見積もりは、ハッキリ言ってわかりづらいです。

でも、分からない事は何度でも聞き返して納得できるようにしましょう。
何度でも聞かれて嫌な顔をする業者なら、はっきり言ってやめた方がいいです。
分かり辛くて当たり前だし、大事な家族が亡くなった直後の精神状態です。
頭が回らない事は、葬儀社の人間が誰よりも理解しているはず。
その精神状態を理解したうえで、伝えようと必死に説明を繰り返してくれる業者が良い葬儀社だと断言できます。
各葬儀社は言い回しが微妙に違ったりします。
でも、落ち着いて一つ一つ見ていくと理解できます。
しかしながら非日常的な精神状態の中では、判断が難しいものです。

良い葬儀社は、
『分からないことはありませんか?』
と、ご家族の気持ちを優先して考えてくれる業者です。
内容など区別が付かない時は
『葬儀社に払うお金はどれだけ必要ですか?』
『火葬料金などの料金も含んで教えて下さい。』
と、相見積もりを取る葬儀社全てに同じセリフで聞きましょう。
十二.ブラックな葬儀社の殺し文句

『皆さんそうされますよ。』
『だいたい、これくらいを選ばれますよ。』
知識がないと、基準がないので情報不足で不安に陥ります。
それを上手くついた葬儀社のテクニックです。

『○○さんのようなご近所づきあいが多い場合は、100万くらいの基本プランを皆さん選びますよ。』
『この地域では、皆さんそれくらいされますよ。』
こういうセリフはスルーでOKです。

自分たちは自分たち。
この意識を忘れずに持ちましょう。
私たちが
選んだ葬儀社の担当者は見た目も若く、一見すると『大丈夫?』と思われそうな人でした。
でも、とにかく私達家族の要望を聞いてくれました。
常に寄り添って、
『分からないことはないですか?』
『お疲れではないですか?』
と、気遣って貰えました。
そして、上記のような殺し文句は一言も発しませんでした。
逆に、
『昔からの葬儀社はこんな殺し文句を使って、金額を釣り上げているんですよ。』
と教えてくれました。
一生懸命に私達の立場に立って、プランを考えてくれました。
予算の中で最大限の事をして、お見送りしましょうと言ってくれました。
提案として、公営斎場で葬儀を行うことを勧めてくれました。
公営斎場は、式場と火葬場が併設されているので、予算が民営の葬儀ホールに比べかなり抑えられること。
東京なら臨海斎場が有名です。
大阪なら大阪市立北斎場が一番有名な公営斎場です。
お年寄りの人は、一度は公営斎場に参列した事があるので、場所の説明がしやすい。
近所の方などに気を使わせなくて済む。
などが、メリットになります。
参列者には香典辞退として、返礼品をなくしました。
お焼香に来て貰える人は、時間が許す限り手を合わせて貰いました。
お寺編
十三.お布施金額の決め方
これは、葬祭関連に従事した人でも悩むところだと思います。
仲の良いお坊さんに聞いてみても
『お布施はお気持ちで』
と言います。
お布施の相場に関して結論から言うと
『ありません。』
という回答が正しいと思います。
参考として言えるのは
お通夜・葬儀告別式、戒名も含んで15~20万くらいでしょうか?
当サイトから紹介するお寺様は、市民目線で考えてくれます。
そういうお寺様も随分と増えました。
でも、金額を見てあからさまに嫌な顔をするお坊さんもいるそうです。

『お布施はお気持ちだけで』
と言いながら、腹の中では鬼のような顔をしているようです。
お寺様を紹介してもらうときは、その葬儀社や紹介者にハッキリと金額を聞くことが大事です。
こちらの希望を伝えることも大事です。
菩提寺に来てもらう時は、親戚や菩提寺の地域の人に聞くのが間違いないと思います。
私の場合は、お寺様を紹介してもらうことが決まっていたので、葬儀社を探すときにお寺も探していることを伝えました。
また、総額の予算も伝えていたので、予算にあったお寺を紹介してもらいました。
お布施とは
お布施とは仏教の「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という修行法のうちの一つです。
「六波羅蜜(ろくはらみつ)」はお釈迦様の教えの6項目を実践すると煩悩が消え悟りが開けるとされていました。
その中の布施とは『人に施しを与えること』とされています。
そのお布施の中でも、3種類の意味があります。
①財施(ざいせ):金銭・衣食などの施しで人に与える心を伝えること、感謝の気持ちを伝えること
②法施(ほうせ):お釈迦さまの教えを説くこと、精神的に救うこと、人のための読経を行うこと
③無畏施(むいせ):恐怖や不安を取り除き、安心できるような恵みを与えることや、困った人に親切にすること
宗教者へのお礼のお布施は財施(ざいせ)の事です。
宗教者がお通夜や葬儀で読経をしたり説法をすることが法施(ほうせ)です。
お布施はお寺やお坊さんに差し上げるものではありません。
ご本尊に捧げるものとされています。
注意点
田舎の菩提寺にあるお墓に納骨はしたいと考えている場合は、まず菩提寺に亡くなった事や葬儀の事を相談しましょう。
葬儀の相談もせずにお墓だけお願いしますというのはトラブルの元です。
遠方の菩提寺でも、まず電話して相談すること。
遠方から葬儀に行くのは難しいので、そちらの業者に紹介して貰っては?と言う場合もありますし、菩提寺の知り合いのお坊さんを紹介してくれる場合もあります。
何も言わずにお墓だけということはやめましょう。
法事を断る坊主って?
私の場合ではありませんが、葬儀だけしかしないというお坊さんがいるそうです。

『法事は別のお坊さんに頼んでくれ』
と言うそうです。
何名かそういう方と出くわしたという話を聞きました。
紹介してもらう時は、法事などもお願いすることになるかもしれない事はお話ししておいた方が良いでしょう。
末永くお付き合いを考えてくれているお坊さんに悪い人はいないと思いますので。
番外編
密葬とお別れ会とは
人数が多くなりそうな時は、密葬を行ってから本葬またはお別れ会を行います。
芸能人などが、殆どこのケースです。
最初に家族だけで密葬を行い、後にお別れ会をする。
密葬というのは、後に本葬かお別れ会をすることを本来はさしています。
最近は家族葬と密葬を混合してる方が多くなっていますが、少し覚えておくと良いと思います。
故人が会社関係者・友人など付き合いが多いようであれば、密葬を行いお別れ会を行った方がトータル的に費用も抑えられる可能性が高いです。
お別れ会は、宗教に縛られない見送り方が出来るのもメリットです。
例;X Japan Hideさん
例;プロレスラー 橋本真也さん
互助会ってどうなの?
予備知識として、覚えておいた方がよい事の一番が互助会です。
葬儀の互助会とは、何か?
葬儀費用を事前に積み立てておきましょう。というシステムです。
ただ、大事なことは一つだけ。
積み立てたは良いが、葬儀費用は安いのかどうか?
プランをよく見てください。
安ければよいのですが、一般的にはプラン内容を比較すると他社より高いことが多いです。
からくりは、互助会 A社 一般価格 120万 互助会割引 60万 総額 60万
と記載。
非互助会のプラン内容・プラン料金を見比べてみると、20万くらい高いなんてことも。
解約金を支払っても10万以上得をするってケースもあります。
互助会に絶対に依頼しないといけないわけではありません。
これは、頭の片隅にでもおいておく必要があります。
また、互助会でよくあるトラブルは、積立金がビックリするほど返金されない。
違約金としてビックリする金額を請求したなど。
参考;大手互助会のトラブると判例
http://diamond.jp/articles/-/31260
引用 週間ダイヤモンド オンライン
最後に
最終的に一番大事なこと。
それは、見送る家族と見送られる故人の気持ちです。
気持ちのない見送りを、しきたりや慣習にとらわれても仕方ありません。
そういう気持ちの面をサポートしてくれる、業者を探す必要があります。
自分たちだけで交渉が不安な場合は、葬儀業者と直接やり取りをせずにNPO法人などの機関を利用すると安心して葬儀を進められます。
ブラック葬儀社・ブラック寺院は、
これが当たり前だと押し付けてきます。
今は、押しつけを拒否出来る時代です。
まともな葬儀社やまともな寺院もたくさんあります。
急な不幸で、探し出す事が困難だからトラブルが減らない。
ブラック葬儀社・ブラック寺院に対しては、ガンガンと交渉していいと思います。
予備知識が少なくて当たり前の行事が『葬儀』であり、『仏事』です。
一番良いのは事前相談です。
高齢者で自分達の葬儀を事前相談に来る方たちが仰る言葉は
『残った家族に迷惑をかけたくない。』
です。
病気をされ自分で相談に行けない人も同じように
迷惑をかけたくない
と思っているのではないでしょうか?
多少でも予備知識を入れているだけで対応力は上がります。
葬儀もそうですが、お布施などの予算もハッキリと提示するようにしましょう。
分からないのに言い辛くてうやむやに。
葬儀が終わって、ようやく落ち着いた頃に後悔。
一番多い、葬儀の後悔あるあるです。
私の場合は葬儀社の人に予算を伝えて、菩提寺でなくていい事も説明をしました。
その予算の上で、葬儀社の人からお寺を紹介して貰うことにしました。
*最初の電話までに、お寺を紹介して貰うつもりかどうかは余裕があれば判断しておきましょう。
*予算がある上で、快く受けてくれるお寺もたくさんあります。
注意点として、三角のバランスが問題です。
葬儀社・お寺・遺族。
このバランスが保てる関係が、良い葬儀をすすめるポイントになります。
どこか一つが突き出すと、バランスがおかしくなります。
三角の中心点になる、NPO法人などは有効に活用するのがオススメ。
NPO法人が紹介する葬儀社やお寺は、予算などを理解した上で受諾してもらえます。
色々と無理を言ったのですが、葬儀社やお寺さんは私達の希望を理解していただいていたので、
トラブることなく葬儀を終えられました。
参考までに
葬儀社に約65万
寺院に20万
内々で飲食費用など二日間10万
全て予算内で十二分に見送ることが出来ました。

恥ずかしいことなど何もないので、分からない事や不安な事はドンドン質問しましょう。
そういう性格でないと思う人は、かわりに動いてくれるところを活用しましょう。