目次
浄土宗 葬儀の特徴
浄土宗の葬儀は
- 序分(仏を迎える)
- 正宗分・しょうじゅうぶん(仏を供養し、念仏に励む)
- 流通分・るつうぶん(仏を送る)
3部構成の特徴があります。
故人に戎を授け正式の仏弟子にするための「授戒」と、仏の世界に導き入れる「引導」に中心が置かれています。
浄土宗 葬儀マナー
お焼香作法
香炉の前に姿勢を正し合掌。
一礼をしてから香合のお香を右手の親指(母指)と人差し指(食指)、中指の3指で香を軽くひとつまみし、この手を仰向けます。
そしてこの右手に左手の掌を添え、これを恭しく額尾のあたりまでくるぐらい持ち上げ、そして香炉の灰の上にくべます。
くべ終わりましたら、ふたたび合掌、一礼をします。
回数に関しては3回でも1回でも良しとされています。
形式的な3回よりも真心のこもった1回の方が尊く見える場合もありますと伝えられています。
詳しくはこちらをご覧ください。
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浄土宗 数珠
浄土宗 葬儀の流れ
浄土宗では、引導作法までが「葬儀式」。そのあとを「告別式」と考えているようです。
参列者による焼香も告別式の中で行われるものと考えられています。
[葬儀式](遺族・会葬者)
(2)懴悔(さんげ)
(3)剃度作法・十念 頭を剃る仕草をする儀礼で十念を唱えます
(4)三帰三竟(さんきさんきょう) 仏法僧に帰依することを故人に伝える儀礼です
(5)授与戒名
(6)開経偈(かいきょうげ) 仏法に出会えた機会を逃さず修行することを説きます
(7)誦経(ずきょう) 「四誓偈(しせいげ)」か「真身観文(しんじんかんもん)」など
(8)発願文(ほつがんもん) すべての衆生の救済に努めることを誓います
(9)摂益文(しゅうやくもん) 念仏を唱えるものは仏に守られるという偈
(10)念仏一会(ねんぶついちえ) 感謝して念仏を数多くの唱えます
(11)回向(えこう) 念仏の功徳がすべての者の成仏に益することを願います
[焼香~出棺](遺族・会葬者)
序分・正宗分(しょうじゅうぶん)、流通分(るつうぶん)の3部構成で行われます。
序文は、葬場に諸仏を迎え入れ讃歎すること、正宗分は、引導を含む葬儀の中心部分、流通分は、諸仏と故人を送り出す儀礼です。
●序分
(1)入堂 正式には鐘や太鼓が鳴らされるが、在家信者では略されます
(2)香偈(こうげ) 香をたき諸仏の降臨をねがいます
(3)三宝礼(さんぽうらい) 仏・法・僧に礼をします
(4)奉請(ぶじょう) 降臨した諸仏にお願いします
(5)懴悔 諸仏に対して生前の自己の罪業を懺悔します
●正宗分
(6)作梵(さぼん) 梵語の「四智讃(しちさん)」を唱えます
(7)合鈸(がっぱち) 鈸(はち)を鳴らします
(8)鎖龕(さがん) 棺を閉ざす儀式
(9)起龕(きがん) 棺を起こす儀式
(10)奠湯(てんとう) 葛湯を霊前に供える儀式
(11)奠茶(てんちゃ) 茶を霊前に供える儀式
(12)霊供(りょうぐ) 仏飯を霊前に供える儀式
(13)念誦(ねんじゅ) 導師が節をつけて唱える儀式
*(8)から(13)までは禅宗葬儀に基づくものが多く、一般の葬儀では略されることが多い
(14)下炬(あこ) 二本の炬火(たいまつ 実際には紙などで模したもの)のうち1本を捨て、残りで円相を描きます。終わると十念を授けます。弔辞があればこのあとに入れます。
(15)開経偈(かいきょうげ) 誦経の前に教えの真義の体得を願います
(16)誦経(ずきょう) 「四誓偈」か「仏心観文」が読まれます
浄土宗の焼香は、つまんだお香を目の高さに上げてから香炉にくべます。回数は1~3回いずれもよいとされています。
(17)焼香
(18)摂益文(しょうやくもん) 念仏を唱えるものは仏に守られるという偈
(19)念仏一会(ねんぶついちえ) 感謝して念仏を数多くの唱えます
(20)回向(えこう) 念仏の功徳がすべての者の成仏に益することを願います
●流通分
(21)総願偈(そうがんげ) 仏道を成し遂げることを誓います
(22)三身礼(さんじんらい) 三種類の身体を持つ阿弥陀仏への帰依を表明します
(23)送仏偈(そうぶつげ) 諸仏を浄土お送りします
(24)退堂