日蓮宗 葬儀の特徴
日蓮宗における最大の特徴は、「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」の題目を唱えることこそが何よりも重要な修行であるとしていることです。
そのため、葬儀の場でも南無妙法蓮華経の題目は頻繁に唱えられます。
日蓮宗 葬儀マナー
お焼香作法
日蓮宗のホームページでは
『回数に関しては、宗派や地方によって様々で一概には言えませんが、
日蓮宗では導師は3回、一般参列者は1回とされています。
一番大事なことは、いったい何に対して「香」を捧げるのかを考え、心をこめることでしょう。
また、周りの状況を判断し、大勢の場合は一回(一本)にするのが常識です。』
と説明されています。
また、やり方は
『焼香台の前に立ったら、まず合掌し一礼します。
右手の親指と人差し指で抹香を軽くつまみ、静かに火種にそそぎます(一般参列者の場合1回)。
再び合掌をして、一礼し、席に戻りましょう。』
と説明されています。
日蓮宗 数珠
お数珠は、多くの種類がありますが、長い一連の珠数に四十一個の
下がり玉の付いた菊房というのが一般的です。
日蓮宗 葬儀の流れ
日蓮宗では葬儀は最後の聞法(もんぽう)修行の機会であると考えることから、本尊は大切な位置を占めます。
仏壇の本尊に読経した後に、枕経を行います。
(1)勧請(かんじょう) 法要の場に諸仏、諸尊の降臨を仰ぎます
(2)開経偈(かいきょうげ) 法華経の功徳を讃え、教えをいつまでも受持することを誓います
(3)読経(どっきょう) 法華経の中の肝要な諸品を拝読します
(4)祖訓(そくん) 日蓮聖人の遺文の1節を拝読します
(5)唱題(しょうだい) 題目「南無妙法蓮華経」を唱えます
(6)宝塔偈(ほうとうげ) 法華経見宝塔品に出る偈文で、法華経信者の功徳を讃嘆します
(7)回向(えこう) 読経の功徳が故人の霊山往詣に資することを願います
(8)四弘誓願(しぐせいがん) 仏道成就が困難であっても成し遂げることを誓います
(9)題目三唱(だいもくさんしょう)
(10)納棺
(11)通夜法要 特別に定められてはいないが、道場偈(どうじょうげ)、仏法僧の三宝を礼拝する三宝礼(さんぽうらい)、四弘誓願に続き、諸仏諸尊をお送りする奉送(ぶそう)などが入ります。
日蓮宗で、もっとも重要な儀礼は引導とされています。
(1)入堂
(2)開式の辞
(3)総礼(そうらい) 僧俗ともに合掌して題目を三遍唱えて礼拝します
(4)道場偈(どうじょうげ) 諸仏諸尊を勧請する声明曲です
(5)三宝礼(さんぽうらい) 仏法僧への帰依を、立ったり座ったりの起居礼(きこらい)で示します
(6)勧請(かんじょう) 久遠釈尊をはじめ四菩薩、諸仏諸尊、日蓮聖人などを招きます
(7)開経偈(かいきょうげ) 法華経の功徳を讃え、教えをいつまでも受持することを誓います
(8)読経(どっきょう) 『方便品』など法華経の中の肝要な諸品を拝読します
(9) 咒讃鐃鈸(しゅさんにょうはち) 咒讃は声明曲で唄をうたい、器楽を演奏して諸仏を供養します(導師1人のときは省略)
(10)開棺(かいかん)
導師が棺前に進み、焼香伏拝した後、位牌の覆いを取り、開棺の文を唱えます。中啓で棺蓋を軽く3回打ちならすことも。引導の前触れとして行います
(11)献供(けんく)
茶湯(ちゃとう)、霊膳(れいぜん)、献華(けんか)、水供(すいく)と、茶や食事を霊前に供える儀式。事前に供えて省略することが多い
(12)引導(いんどう) 導師は霊前に進み、払子(はっす)を3振、焼香を3度した後に引導文(いんどうもん)を読み上げます。
内容は前半が諸尊に対しての言挙で、後半は故人に対する教示となります
(13)弔詞・弔電
(14)読経(どっきょう)
(15)祖訓(そくん) 日蓮聖人の遺文を拝読します(省略されることも多し)
(16)唱題(しょうだい) 「南無妙法蓮華経」の題目を唱えます
(17)宝塔偈(ほうとうげ) 回向の前に唱える偈文(げもん)で、法華経の功徳を讃えます
(18)回向 法要の功徳をめぐらし、現世の安穏と死後良い所に生まれることを祈念します
(19)四誓(しせい) 人々を救う誓いの言葉を唱えます
(20)三帰(さんき) 三宝に帰依(きえ)し、仏道に精進することを声明で誓います
(21)奉送(ぶそう) 声明で諸仏諸尊をお送りします
(22)閉式の辞
(23)退堂
日蓮宗 基本情報
- 開祖:日蓮 立正大師 (1222-1282)
- 本尊:久遠実成本師釈迦牟尼佛 (くおんじつじょう ほんし しゃかむにぶつ)
- 本山:詳しくはこちらをご覧ください。