お墓参りはいつ行ってもよい

お墓参りは、仏式では、春秋のお彼岸、お盆、故人の祥月命日、年末にするのが一般的です。
都合がつかない場合は、早めにお参りしましょう。
この時期に限らず、お墓参りはいつ行ってもかまいません。
機会あるごとに、できるだけお参りをしたいものです。
結婚や出産の報告など、節目の報告にお参りする人も多いようです。
お墓が遠くにあったのでは、足が遠のいてしまいます。
お墓を建てるときは、お参りしやすい立地を選ぶことです。

寺院境内墓地では本堂にもお参りを

菩提寺の境内にお墓がある場合は、まずご住職にあいさつをします。
次いでご本尊にお参りをし、それから自分の家のお墓にお参りするのが礼儀です。

お墓参りの作法

1.お墓の掃除をする

[墓石]

墓石に水をかけ、布かスポンジで汚れやこけを落とします。
汚れがひどいときはたわしでとり除くようにします。
文字の部分は歯ブラシが便利です。
しかし硬い石だかうといって、彫刻部分や角は欠けやすいので、力まかせにゴシゴシこすら芯いようにしましょう。
汚れを落としたら、水洗いし、水気力1残うないよう、ぞうきんなどの布でふき清めます。
水鉢はきれいな水を張ります。

[植木]

植栽は、伸びすぎた木は短く刈り込みます。

地中で根が張りすぎると、墓石や外柵を圧迫し、ひび割れや崩れの原因になることもあります。

[区画内]

落ち葉や雑草、コミをとり除き、掃き清めます。
玉砂利は土に沈んでしまうことがあります。
この場合は、園芸用のシャベルで掘り起こします。
玉砂利は、自の組いザルに入れて水洗いするととてもきれいになります。
古い卒塔婆は管理事務所に処理してもらいましょう。

2.お供えをする

お墓が清められたら、花と線香を供えます。
お菓子や果物などの供物は半紙を敷いて供えます。
水鉢が広い場合は、湯飲みに水を入れて供えます。
線香は、普通は束のまま一度に火をつけて、線香立に供えます。
線香を墓参の人数に分けて、それぞれが供える場合もあります。

3.拝礼する

故人と縁の深い順にお参りします。

①墓石に水をかけ
手桶に新しくくんだ水を、墓石にかけます。
これは仏ののどをうるおすためといわれています。
お酒が好きだったからと、お酒を墓石にかける人がいますが、これは墓石を傷めるため控えましよう。
もしどうしてもかけたい場合は、そのあとで墓石を水洗いしておきます。

①合掌す~
数珠を持ち、墓石の正面に向かい、合掌します。

しゃがむか、腰を低くする場合もあります。

宗派に合った念仏やお題目を唱えたり、心の中で故人に語りかけたりするとよいでしよう。
区画内に先祖のお墓が並んでいる場合は、古い先祖の墓から順にお参りします。

4.あと始末をする

お参りが終わったら、火の始末をします。
食べ物を供えた場合は、あとで鳥などに食べ散らかされないように、持ち帰るのがマナーです。
線香は燃やしきるようにしましょう。

お墓参り

代理墓参り

お墓が遠くにある、体調が悪いなど、お墓参りができない場合は、お墓の近くの親戚や知人に、かわりにお参りをしてもらうことがあります。
これを代理墓参といいます。
最近では、石材店や生花店、便利屋などが、お墓参り代行サービスを行っているケースもあります。

 

お盆とお彼岸

お盆には先祖の霊を迎える

お盆は正式には「盂蘭盆会」といい、先祖の霊が帰ってくるといわれています。
時期は7月13日を「お盆の入り」とし、16日の「お盆の明け」までの4日間をいいます。
旧暦の7月、または8月15日前後にお盆の行事を営む地方もあります。
お盆の入りの前日には仏壇を清め、先祖の霊を迎える盆棚(精霊棚)を設けます。
13日の夕方、戻ってくる先祖の霊が迷わないよう、玄関や庭先でおがらを燃やして迎え火をたきます。
都会ではロウソクをともすだけで十分でしょう。
お盆明けの同日夕方には、迎え火と同様に送り火をたき、霊を送ります。

お盆

初めてのお盆は新盆の供養を

人がなくなって初めて迎えるお盆を新盆(初盆)といいます。

四十九日の忌明け前に新盆を迎える場合は、翌年を新盆とします。

地方によっては違うこともあります。

新盆には近親者や友人が集まり、僧侶に読経してもらい、精進料理でもてなすなど、特に手厚く供養します。

霊が迷わないように、お盆の間は提灯を軒先につるすか、仏壇の脇に飾り、夜には明かりを入れます。

近親者が盆提灯を贈る習慣もあります。

正式には白い提灯に喪家の家紋を入れたもの一対を贈りますが、最近は、模様入りの提灯を贈ることも多くなっています。

お彼岸は春と秋の年2回

お彼岸は存と秋にあり、3月の春分の日と、9月の秋分の日を中日として、その前後3日ずつの7日間を彼岸、正」式には「彼岸会」といいます。
またお彼岸の初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸の明け」といいます。
各寺院では彼岸会が営まれます。
家庭では、家族そろってお墓参りをするのが慣習となっています。
春のお彼岸にはぼたもち、秋にはおはぎを仏嬉一に供えます。
どちらも米とあんで作りますが、季節の花に由来して春は牡丹餅、秋はお萩と呼ばれています。
仏様に精進料理を供え、家族も同じものを食べる風習もあります。